「北大英語の長文読解、何をどう対策すればいいの?」
北大を目指す受験生から、たくさん届く質問のひとつです。
長文読解は、北大合格を勝ち取るために、安定して得点していきたいセクションです。
配点は公表されていませんが、推定だと第1問・第2問の長文読解は合計で80点(全体の53%)を占めます。
ここで安定して得点できるかどうか。
安定して得点できなければ、ライバルに一気に差をつけられてしまいます。
しかし、「長文読解の対策」と一口に言っても、何をすれば良いのかわからないまま闇雲に英文を読み続けている受験生がほとんどです。
それでは、いつまで経っても点数は上がりません。
北大の長文はテーマの抽象度が高く、論理展開も速いです。
でも、それは「特別な読み方が必要」ということではありません。
結局、「適切な順序で対策すること」さえできれば、北大英語の長文は安定します。
ということでこの記事では、2次試験英語132点(88%)・次席入学の塾長エヌが、北大英語の長文読解対策について知っておくべきことをすべて解説します。
- 北大長文の配点・語数・設問パターン(数字データ付き)
- 他大学の長文と何が違うのか
- 本番で使える実践的な解き方の手順
- 設問タイプ別(和訳・内容説明・選択問題・抜き出し)の攻略法
- 長文読解で必要な3つの力とその鍛え方
- 段階別の勉強ロードマップ
- やってはいけないこと(逆張り解説)

この記事を監修した塾長エヌの自己紹介
北海道出身。現在、北大修士2年。北海道にある偏差値約60の高校出身。令和3年度(共通テスト元年)に受験。総合理系 総合科学選抜群受験し、点数は646.05/750(次席入学)。2次試験の英語は132/150、共通テスト英語はR98/100、L88/100。TOEIC 960点。農学部 学科主席で卒業。海外在住や留学の経験なし。20カ年以上の過去問を徹底分析。【ホクエイゴ|北大英語専門塾】の代表。
北大英語の長文読解とは:配点・語数・設問パターン
北大英語の長文読解は、全体の半分以上(推定80点以上/150点)を占める重要セクションです。
ですので、しっかり時間と労力を集中すべきです。
それぞれのデータを順番に確認していきましょう。
配点
北大は配点を非公開にしています。そのため、ここでは塾長エヌによる推定配点を示します。
20カ年以上の過去問を分析した結果、第1問・第2問の長文読解はそれぞれ推定40点、合計推定80点と考えられます。
これは2次試験英語150点満点のうち、約53%に相当します。
| 大問 | 内容 | 推定配点 | 全体に占める割合 |
| 第1問 | 長文読解 | 推定40点 | 約27% |
| 第2問 | 長文読解 | 推定40点 | 約27% |
| 第3問 | 英作文 | 推定34点 | 約23% |
| 第4問 | 会話文 | 推定36点 | 約24% |
| 合計 | — | 150点 | 100% |
※配点は北大非公開。上記は塾長エヌによる推定値です。
長文読解だけで推定80点。ここを得点源にできれば、合格に大きく近づきます。逆に、ここで崩れると取り返しがつきません。
語数
第1問・第2問それぞれの英文の語数は、1問あたり650〜750語(2004〜2026の過去問を塾長エヌが数えた結果)が目安です。
第1問・第2問の長文だけで合計1,300〜1,500語(試験全体では2,600〜2,800語)あります。
理想の時間配分は、「読む〜解答」まで全て含めてそれぞれ22分です。
| 大問 | 想定語数 | 設問数 | 標準時間配分 |
| 第1問(長文読解) | 650〜750語 | 基本6問 | 22分 |
| 第2問(長文読解) | 650〜750語 | 基本6問 | 22分 |
22分で650〜750語を読み、6問に答える。この密度を事前に把握しておくことが、対策の出発点になります。
設問パターン
20カ年以上の過去問を分析した結果、北大英語の長文読解には4つの設問タイプが繰り返し出題されています。
| 設問タイプ | 内容 | 出題数 |
| 和訳問題 | 指定箇所を日本語に訳す | 1〜2問 |
| 内容説明問題 | 本文の内容を日本語で説明する | 1〜2問 |
| 選択問題 | 本文の内容に合う選択肢を選ぶ | 3〜4問 |
| 抜き出し問題 | 本文中から該当箇所を探し英語のまま抜き出す | 0〜1問 |
基本的に北大英語の長文読解は設問の形式が固定されています。
ただし、数字と設問形式を把握しただけでは、北大英語の長文読解は攻略できません。
なぜなら、北大の長文には他大学にはない固有の難しさがあるからです。次のセクションで詳しく解説します。
北大英語の長文読解の特徴【他大学との違い】
北大英語の長文読解が難しい理由は、英文の難易度だけではありません。
以下に挙げる4つの特徴が、受験生を苦しめています。
- テーマの抽象度
- 論理展開の速さ
- 和訳の要求水準
- 記述
という4つの特徴が重なって、受験生を苦しめています。
他大学の長文対策を積んできた受験生が、北大の過去問を初めて解いて「なんか読めたはずなのに点が取れない」と感じることはよくあります。
ここからは4つの特徴を順番に確認していきましょう。
テーマの抽象度が高い
北大英語の長文読解は、哲学・言語学・社会問題・科学倫理など、日本語で読んでも簡単には理解できないテーマが毎年出題されます。
多くの受験生が「テーマが難しい」と言いますが、問題は「何が難しいのか」をもう少し具体的に捉えられていないことです。
たとえば、「言語は思考を規定するか」「科学の進歩は倫理的に正当化されるか」といった問いが英文の主題になります。
これは、背景知識なしに英語だけで処理しようとすると、内容の理解が浅いまま設問に向かうことになります。
重要なのは、テーマの難しさは英語力だけでは補えないという点です。
たとえ英文を正確に読めても、「何について論じているか」が頭に入っていなければ、内容説明問題や選択問題で正解にたどり着けません。
北大英語の長文読解で高得点を取るには、英語力と並行して、人文・社会・自然科学の教養を養うことが求められます。
これが他大学との最初の大きな違いです。
論理展開が速い
北大英語の長文読解は、段落ごとに論点が切り替わり、筆者の主張・反論・再反論という多層構造が短い文章の中に凝縮されています。
具体的には、こんな展開が起こります。
- 1段落目:筆者がAという立場を提示する
- 2段落目:Aへの反論を紹介する
- 3段落目:反論を否定し、Aをより洗練させた形で再提示する
「ただ漠然と読む」だけでは、2段落目が「筆者の主張」なのか「反論の紹介」なのかが区別できないまま進んでしまいます。
結果として、設問で「筆者の立場はどれか」と聞かれたときに正解が選べません。
この構造を追うためには、段落ごとに「これは主張か・反論か・例示か」を意識しながら読む訓練が必要です。
論理の流れを捉えることこそ、北大英語の長文読解の核心です。
和訳の要求水準が高い
北大英語の長文読解では、直訳では点が取れません。構造を正確に分解したうえで、自然な日本語に整える能力が求められます。
北大の和訳問題は、「複雑な構文が狙い撃ちされる」という特徴があります。
関係代名詞の多重修飾、分詞構文、倒置など、構造がわかりづらい箇所が出題されます。
和訳で重要なのは「シンプルに書くこと」、
意味が正確に伝わる日本語を、過不足なく書く。それが北大の和訳で点を取る条件であり、最適な方法でもあります。
また、和訳に時間をかけすぎると、他の設問に影響が出るのも難しいポイント。
1問あたりの時間をコントロールしながら、簡潔で正確な訳を書く訓練が、北大英語の長文読解では不可欠です。
記述式問題の出題
北大英語の長文読解は、和訳・内容説明など記述式の設問も出てきます。
よって、選択問題が中心の共通テストとは、要求される能力が異なってきます。
「なんとなく読めた」「だいたいわかった」という感覚は、記述式の試験では何の意味も持ちません。
理解していることを日本語で正確に書いて、初めて点数になります。
これは、「わかったつもり」が通用しないということです。
共通テストで好成績を取っていた受験生が、北大の過去問で大きく崩れるケースの多くは、この記述式への対応不足が原因です。
対策としては、普段からアウトプット(訳す・書く)を練習に組み込むことが必要です。
「英文を読んで終わりではなく、訳を書いてみる。内容を自分の言葉で要約してみる。」
このプロセスを積み重ねることで、記述式の答案を書く力が育ちます。
以上の4つの特徴
- テーマの抽象度
- 論理展開の速さ
- 和訳の要求水準の高さ
- 記述
が重なっているのが、北大英語の長文読解です。
では、本番でどう解いていけばいいのか。次のセクションで実践手順を解説します。
北大英語の長文読解の解き方【実践手順】
北大英語の長文読解は、「設問確認→精読→解答→見直し」の4ステップを繰り返すことで、安定して得点できます。
このセクションでは、制限時間の中で第1問・第2問の長文読解それぞれをどう攻略するか、手順を4ステップで具体的に解説します。
先に全体像を示します。(長文読解の理想解答タイムを22分として、時間を振り分けています。)
| STEP | 内容 | 目安時間 |
| STEP1 | 設問確認 | 1〜2分 |
| STEP2 | 本文精読 | 8〜10分 |
| STEP3 | 設問解答(2分ルール適用) | 10〜12分 |
| STEP4 | 見直し | 残り時間(1〜2分) |
| 合計 | — | 約22分 |
この4ステップが、北大英語の長文読解における「羅針盤」になります。
- 演習中に迷ったとき
- 本番試験直前
はこの表を見直してくださいね。
STEP1 — まず設問を確認する(1〜2分)
本文を読む前に、設問文をざっと確認しましょう。これだけで、本文を読むときの焦点がまったく変わります。
「設問を先に見る」というのは、地図を持ってから山を登るのと同じです。
どこに向かうかがわかっていれば、本文中に答えの根拠が出てきたとき、見逃さずに拾えます。
ただし、選択肢まで全部読む必要はありません。
設問文(「第○段落の内容を説明せよ」「下線部を訳せ」など)だけを確認すれば十分です。
確認するポイントは2つです。
- 和訳・内容説明・選択問題の比率(記述が多いほど解答時間を厚くする)
- 下線部や参照箇所が本文のどのあたりにあるか(前半・後半・全体)
これを1〜2分で把握するだけで、本文に入ったときの安心感がまるで違います。
STEP2 — 本文を精読する(8〜10分)
北大英語の長文読解で最も多くの受験生が陥るミスは、「とにかく速く読もうとして内容が頭に入っていない」状態で設問に向かうことです。
結果として、設問を解くために何度も本文を読み直すことになり、かえって時間を浪費します。
ですので、読むべき箇所はしっかり読みましょう。
1回の読みでしっかり理解しておけば、設問を解くときに本文を読み直す回数が大幅に減ります。
北大英語の長文を読む際に意識することは次の2点です。
- 段落ごとの要点をまとめる:段落を読み終えるたびに「この段落は主張か・反論か・例示か」を頭の中で整理する。論理展開の速い北大英語では、この習慣が正確な読解を支える
- わからない単語は前後から推測して止まらない:1語で立ち止まって時間を使うより、文脈から意味を推測して先に進む。全体の流れを失わないことが優先
長文を読むのにかける時間の目安は8〜10分です。
STEP3 — 設問に答える(10〜12分)
設問タイプごとに解き方を変えましょう。共通しているのは「本文に根拠を確認してから答える」という姿勢です。
STEP2でしっかり読むことができていれば、設問に答えるのはスムーズに進めることができます。
STEP3で最も重要なルールは「2分悩んだら飛ばす」です。
1問に深入りして残りの設問が崩れるリスクが、北大英語の長文読解では命取りになります。
ここからは設問タイプ別の動き方を解説します。
和訳問題
まず文の構造を分解して主語・述語・修飾語を確認する。そのうえで、意味が正確に伝わるシンプルな日本語に変換する。
完璧な訳を目指さなくてOKです。採点官が「内容を正確に理解している」と判断できる水準で十分です。
内容説明問題
「〜を説明せよ」「〜とはどういうことか」という問いは、本文中の該当箇所を特定してから自分の言葉で要約する。
本文の英文を直訳して並べるだけでは点が取れません。意味を把握したうえで、日本語として通じる文にして書きましょう。
選択問題
消去法で絞る。「本文に書かれていないもの」「本文と逆の内容のもの」を先に除外する。残った選択肢の中で、本文中に根拠を確認できるものを選ぶ。「なんとなく合っていそう」で選ぶのではなく、「本文のここがその根拠だ」と指差せる状態で決める。
抜き出し問題
設問が求めている内容(具体例・定義・理由など)を確認し、本文中の該当箇所を特定して英語のまま抜き出す。
抜き出す範囲は「その部分だけで意味が完結しているか」を基準に判断しましょう。過不足があると減点対象になります。
STEP4 — 残り時間で見直す(1〜2分)
見直しは「全部確認する」ではなく「ミスが起きやすいポイントだけを確認する」が正解です。
STEP1〜3を適切にこなすと、「理想の解答タイム22分」の枠内で1〜2分の見直し時間が残ります。
この時間で次の4点を優先的に確認します。
- 選択問題のマークミスがないか:番号と解答欄がずれていないかを確認する。これは2秒で済む確認で、防げるミスが確実にある
- 和訳の主語・述語の抜けがないか:日本語として文が成立しているかを確認する。「〜の〜を〜した」の構造が壊れていないかだけでいい
- 内容説明問題で問いに正確に答えているか:「〜を説明せよ」に対して全く別のことを書いていないか。設問文を読み直す
- 未解答がないか:書き忘れはゼロ点。飛ばした問題が残っていないかを確認する
第1問の見直しが終わったら、第2問へ進みましょう。第2問でも同じ4ステップを繰り返せばOKです。
以上が、北大英語の長文読解を22分で攻略する4ステップです。シンプルです。
しかし、この手順通りに動けるようになるには、本番を想定した過去問演習でこの流れを体に染み込ませることが必要です。
知識として知っているだけでは意味がありません。次のセクションでは、設問タイプ別にさらに詳しい攻略法を解説します。
設問タイプ別の攻略法(和訳・内容説明・選択問題・抜き出し)
北大長文の設問は「和訳・内容説明・選択問題・抜き出し問題」の4タイプに分類でき、タイプごとに解答の作り方が異なります。
前のセクションでは「設問確認→本文精読→解答記述→見直し」という全体の手順を示しました。
ここではその手順の中でも特に差がつく「解答をどう作るか」に絞って、タイプ別に深掘りします。
同じ英文を読んでいても、設問タイプを意識せずに解いている受験生と、タイプごとに解答の組み立て方を変えられる受験生では、最終的な得点に大きな差が出ます。
和訳問題:「自然な日本語」に整える
和訳問題で点を落とす原因の大半は、英語の直訳を「そのまま」書いてしまうことです。
北大の和訳問題では、構造を正確に取ることはもちろん重要です。
しかしそれだけでは不十分で、日本語として読んだときに意味が通るかどうかが採点の重要な基準になります。
たとえば関係代名詞が複数重なった複雑な構造の文を直訳すると、「〜である〜をした〜という考え方を持つ人々が〜」という読みにくい日本語になりがちです。
英文として構造は正しく取れていても、日本語として不自然なまま提出すると減点につながります。
解答を書いたら、必ず声に出して読んでみてください。詰まる部分があれば、そこが「自然な日本語に整えるべき箇所」です。
修飾の順序を入れ替えたり、節を文に分けたりして読みやすくします。
和訳問題における注意点を整理すると、以下の3点が重要です。
- 構造を先に取る:いきなり訳を書き始めず、SVOCを確認してから手を動かす
- 修飾語のかかる先を正確に把握する:関係代名詞・分詞・同格は特に注意。意味のかたまりを間違えると別の訳になる
- 書いた日本語を読み直す:英語の語順に引きずられた直訳が残っていないかを確認する
直訳をそのまま提出する失敗を防ぐには、この3点を意識的に踏んでいきましょう
内容説明問題:「本文に根拠があるか」を確かめる
内容説明問題は、自分の考えを書く問題ではありません。本文に書かれていることを、設問の問い方に合わせて日本語でまとめる問題です。
この問題タイプで失点する受験生に多いのが、「なんとなくこういうことが言いたいんだろう」という感覚で解答を書いてしまうパターンです。
本文に根拠がない内容をどれだけ丁寧な日本語で書いても、点にはなりません。
解答を書く前に、まず「この設問の答えが書かれている箇所はどこか」を本文中に特定することが最優先の作業になります。
下線部の前後、段落の最初と最後、逆接の直後——こうした「論理的に重要な位置」に根拠が集中しやすいです。
根拠箇所が特定できたら、次は設問の「問い方」に合わせて情報を取捨選択します。
「なぜか」と問われていれば理由にあたる部分、「どういうことか」と問われていれば対象の説明にあたる部分を中心に据えて日本語にまとめます。
北大の長文はテーマの抽象度が高く、哲学的・社会的な内容が頻出します。
日本語で読んでも理解が難しいテーマが英語で出るため、「意味はわかったが何を書けばいいかわからない」状態に陥りやすいです。
そういうときこそ、まず論理の流れを捉えることに集中してください。
「筆者が何を主張し、どんな根拠を示し、どこに結論を置いているか。」
これを把握してから「設問の答えはどこにあるか」に戻ると、ふわふわした状態から、明確に根拠を持って解答できる状態に移れます。
内容説明問題の解答手順をまとめます。
- 設問を読んで「何を説明するか」を確認する
- 本文中で根拠になる箇所を特定する(下線部・逆接・段落末に注目)
- 設問の問い方(なぜ/どういうことか)に合わせて情報を整理する
- 本文の言葉を軸に、日本語として読める答案にまとめる
本文に根拠のない解答は、見直しのときに自分でも確信が持てないはずです。
書き終えたあと「この答えは本文のどこに基づいているか」と自分で説明できるかどうかが、合格ラインの解答を作れるかどうかの分岐点になります。
選択問題:消去法
選択問題は「正解を探す」より「間違いを消す」消去法の方が、安定して正答率が上がります。
北大の長文における選択問題は、4択であることが多いです。
そして、正解を先に見つけようとするより、明らかに違う選択肢から消していく方が判断が速くなります。
間違いの選択肢には一定のパターンがあります。
- 「本文に書かれていない情報が含まれている」
- 「本文と反対のことを言っている」
- 「一部は正しいが別の部分が誇張されている」
この3パターンを頭に入れておくと、消去の判断が格段に速くなります。
また、選択問題で迷ったときに有効な判断基準が「本文に対応する箇所があるかどうか」です。
正解の選択肢は、必ず本文のどこかに根拠があります。本文に対応する記述が見つからない選択肢は、どれだけ「正しそう」に見えても正解ではありません。
選択問題は記述問題より短時間で処理できますが、迷い始めると時間を浪費しやすいです。
2分経ってもわからなかったら、消去法で絞ってとりあえず解答して、次へ進んでください。
消去法を正確に使いこなすには、本文を速く正確に読む地力が前提になります。
そして選択肢と本文を照合するスピードは、演習の積み重ねで決まります。
抜き出し問題:正確に抜き出すために「範囲」を見極める
抜き出し問題は、本文中から該当箇所を探し、英語のまま正確に抜き出す問題です。「毎回必ず出る」とは言い切れませんが、出題されたときに確実に得点するための準備が必要です。
この問題タイプで失点する原因は2つあります。
- 該当箇所を見つけられないこと
- 見つけたのに抜き出す範囲を間違えること
まずは、該当箇所の探し方について。
抜き出し問題は、下線部や設問で問われている内容の具体例・言い換え・定義が答えになることが多いです。
次に抜き出す範囲については、過不足なく抜き出すことが重要です。
必要な部分が欠けていれば減点、余分な部分を含めても減点の可能性があります。
北大英語の長文読解で必要な3つの力
北大英語の長文読解で安定して得点するために必要な力は、精読力・論理把握力・語彙力の3つです。
どれか1つが欠けても、攻略法は機能しません。
前のセクションまでで、解き方の手順や設問タイプ別の攻略法を示してきました。
しかし、その攻略法を活かすには、土台となる力が必要です。
土台の力がなければ、どんな戦略も絵に描いた餅で終わります。
それぞれの力が何であり、なぜ必要で、どこで差がつくのかを順番に解説していきます。
精読力:1文を正確に読み切る力
精読力とは、英文の構造(SVOC)を正確に把握し、意味を確信を持って取り切る力のことです。
北大英語の長文読解における、すべての基礎になります。
なぜ精読力が必要なのか。
北大の長文では、和訳問題・内容説明問題ともに「英文の意味を正確に理解している」ことが前提とされるからです。
特に差がつく場面は、複雑な構文が出たときです。例えば、関係代名詞が多重に重なった文・分詞構文・倒置・強調構文など。
こうした構造を持つ英文は、精読力のない受験生が訳すと「意味がとれているようでとれていない」状態になります。
一方、精読力が身についている受験生は、複雑な英文でも主語・述語・目的語を正確に拾い、修飾語がどこにかかるかを判断できます。
結果として、和訳問題で確実に部分点以上を取り、内容説明問題の根拠箇所を正確に特定できます。
精読力を鍛えるには、1文を訳して構造を分析する練習を積み重ねるしかありません。
量よりも質の練習です。1日に英文を10本「なんとなく読む」より、1文を丁寧に構造分析して訳す方が、精読力は圧倒的に速く上がります。
論理把握力:段落の役割を見抜く力
論理把握力とは、段落ごとに「これは主張か・反論か・例示か」を識別し、文章全体の論理構造を頭の中で組み立てる力のことです。
なぜ論理把握力が必要か。
北大の長文は、筆者が一方向に主張を展開するだけでなく、反論を取り上げたうえでそれを退けるという多層構造を取ることが多いからです。
特に差がつく場面は、内容説明問題と選択問題です。
「筆者の主張を説明せよ」という設問に対して、反論を紹介している段落の内容を「筆者の主張」として書いてしまう失点は、論理把握力のなさが原因です。
選択問題でも、本文と逆の立場が書かれた選択肢を誤って選ぶミスの多くは、段落の論理的な位置づけを把握できていないことから生まれます。
論理把握力を鍛えるには、段落を読み終えるたびに「この段落の役割は何か」を一言で言語化することが有効です。
- 「主張」
- 「反論の紹介」
- 「例示」
- 「反論への反論」
- 「結論」
このように、段落ごとにラベル付けを行いながら演習を積み重ねることで、どんな文章を読んでも論理関係がすぐに目に見えるようになります。
ただし、論理把握力は精読力の次に身につける力です。
1文が正確に読めてから、段落の論理構造を追う順番で練習を進めてください。
語彙力:推測力を含む語彙の運用力
語彙力とは、単語を知っているかどうかだけでなく、知らない単語の意味を文脈・接頭辞・接尾辞から推測して読み進める力のことです。
なぜ語彙力が必要か。
北大の長文は哲学・社会科学・自然科学などの抽象度の高いテーマを扱うため、受験生が見たことのない語彙がよく出てきます。
知らない単語が出るたびに立ち止まっていては、時間配分が崩壊します。
特に差がつく場面は、未知の単語が連続する段落で速度を維持できるかどうかです。
語彙力のある受験生は、単語の意味がわからなくても
- 「この語は否定的な文脈で使われているから、マイナスの意味を持つ何かだ」
- 「この接頭辞はmisがついているから誤りや失敗に関係する」
という推測で読み進められます。
一方で語彙力のない受験生は、「単語の意味がわからない…。なんだこれ?」となって思考が止まります。
語彙力を鍛える方向は2つあります。
- 単語帳を使った純粋な語彙力強化
- わからない単語の推測力強化
①については言葉通りなので説明不要だと思います。
②について、具体的には接頭辞(mis-・un-・pre-・sub- など)と接尾辞(-tion・-ive・-ity など)を意識的に学び、未知語から品詞と概略の意味を引き出す練習をしましょう。
「語彙力は一朝一夕には上がらない」とよく言われますが、実は推測力は短期間で実戦に使えるレベルまで高められます。
単語の蓄積と推測力の訓練を並行して進めることが、北大英語の語彙対策の正解です。
以上の3つの力——精読力・論理把握力・語彙力——が揃って初めて、攻略法が機能します。
「設問タイプ別の解き方を知っている」だけでは、点数は安定しません。
土台の3つの力をどの順番でどう鍛えるかが、次のセクション「勉強法ロードマップ」で示す内容です。
北大英語の長文読解の勉強法【段階別ロードマップ】
北大英語の長文対策は、3つのStageに分けて進めます。
| Stage | 時期 | 主な取り組み |
| Stage 1:精読期 | 〜高3夏 | 1文の構造分析・和訳練習 |
| Stage 2:演習期 | 高3夏〜冬 | 長文問題集・設問解答・時間意識 |
| Stage 3:実戦期 | 高3冬〜直前 | 北大過去問・20カ年の実戦演習 |
ここからは各Stageについて、「目的→やること→達成基準」の順で説明します。
この流れで読めば、自分が今どこにいて、次に何をすべきかが一目でわかるはずです。
Stage 1:精読期(〜高3夏)——1文を確実に読み切る力をつくる
Stage 1の目的は、「英文の構造を正確に取ること」を習慣化することです。この時期に集中してほしいのは、やはり丁寧な精読練習ですね。
精読は地味に見えます。というか、間違いなく地味です。
しかし、北大英語の長文対策はすべて、精読が起点になります。
Stage 2の演習も、Stage 3の過去問も、盤石な精読力という土台の上でしか機能しません。
逆に言えば、Stage 1をしっかり仕上げた受験生は、Stage 2以降の成長速度が明らかに異なってきます。
具体的にやることは以下の通りです。
- 1文の構造分析:英文を読んで、主語(S)・述語動詞(V)・目的語(O)・補語(C)を正確に識別する。修飾語がどこにかかるかを判断する
- 和訳練習:訳を声に出す・ノートに書く。「なんとなくわかる」を「言語化できる」レベルに引き上げる
- 音読:構造を理解した英文を繰り返し声に出して読む。英語のリズムと語順に慣れる
並行して、単語学習を毎日継続してください。
単語は質より量です。1単語ずつ丁寧に覚えるのではなく、50単語を毎日何度も繰り返しスピードを重視して見直してください。
では、どのくらい状態になれば良いのか。
初見の英文(3〜4文程度)を読んで、構造を分析したうえで和訳できる状態です。
「なんとなく訳せる」ではなく、「なぜそう訳したのか、根拠を説明できる」レベルが目標です。
Stage 2:演習期(高3夏〜冬)——長文問題集で「読んで答える」力を鍛える
Stage 2の目的は、精読で鍛えた地力を「設問に答える力」へと変換することです。
Stage 1で1文を正確に読めるようになった受験生が、次にぶつかる壁があります。
「1文1文はわかるのに、問題を解くとなると答え方がわからない」という状態です。
具体的にやるべきことは以下の通りです。
- 長文問題集を1本まるごと読み通す:段落ごとに「この段落は何を言っているか」をメモしながら読む。論理把握力を意識する
- 設問解答の練習:和訳問題は「根拠を持った訳を書く」、内容説明問題は「本文の根拠箇所を特定してから書く」という手順を必ず守る
- 時間を意識した演習:最初は時間制限なし。慣れてきたら時間配分を意識して解く
北大英語の長文は650〜750語程度の英文が2問出ます。
問題集としてはテーマの抽象度が高めのもの(哲学・社会・科学系)を選ぶと、北大の出題傾向に近い練習ができます。
Stage 3:実戦期(高3冬〜直前)——北大の過去問で本番の得点を固める
Stage 3の目的は、北大英語の本番環境に完全に慣れることです。教材は北大の過去問でOKです。
北大英語の頻出テーマはある程度決まっています。
過去問演習を解くことでテーマの理解度が深まるとともに、「このテーマが来たらこういう展開になりやすい」という感覚が自然に身につきます。
具体的にやることは以下の通りです。
- 北大過去問を年度ごとに解く:第1問・第2問を本番の時間配分で解く。英語全体を90分で解く練習も組み込む
- 解いた後の精読復習:答え合わせ後、間違えた設問の根拠箇所に戻り、なぜ自分の読みが外れたかを分析する。「なんとなく間違えた」で終わらせない
- 最新5年分は「本番直前の模試」として使う
ロードマップの全体像を把握した上で、最後に1点だけ伝えておきたいことがあります。
「正しい順番で進めること」がとにかく重要です。
北大英語の長文読解でやってはいけないこと
ここまで読んでくれた人は、北大英語の長文読解に向けて「何をすべきか」が見えてきたはずです。
ただ、正しいことをやるのと同じくらい大事なことがあります。間違ったことをやめることです。
受験生が無意識にやってしまいがちなNG行動を4つ取り上げます。思い当たるものがあれば、今すぐ修正しましょう。
① 精読をせずに、いきなり速読しようとする
「長文を速く読めるようになりたい」という気持ちはわかります。でも、精読の力がない状態で速読の練習をしても、意味がありません。
速読とは「正確に読める力を、速度に乗せること」です。
正確さのない速読は、ただの飛ばし読みでしかありません。飛ばし読みで北大の設問に根拠を持って答えることはできません。
学習の順序は必ず「精読→速読」です。
この順番を守っていれば、スピードは自然についてきます。
② 和訳問題で、直訳のまま提出する
北大の和訳問題では、英語の構造を正確に捉えることが前提です。
ただし、英語の語順そのままに日本語を並べた「直訳」は、減点対象になります。
採点者が見ているのは「英文の意味を、日本語として自然に表現できているか」です。
英語らしい不自然な日本語では、意味が取れていても点が伸びません。
書いた訳文を見直すときは「これは日本語として通じるか?」を確認する習慣をつけてください。
構造は正確に、日本語はなめらかに。この両立が北大の和訳では求められます。
③ 時間制限なしで過去問を解く
時間を気にせず過去問を解く人がいます。これはもったいないです。
北大英語は90分で2,600〜2,800語を処理しなければならない試験です。
時間制限のない練習を積み重ねても、本番の時間感覚は身につきません。
特に本番前の過去問演習は、必ず本番と同じ90分で解いてください。大問ごとの時間配分を決めて、その配分を体に染み込ませることが目的です。
④ 選択問題を「なんとなく」で選ぶ
第1問・第2問の内容一致問題や、第4問の会話文選択問題を、感覚で選んでしまう受験生は多いです。
ただ、北大の選択問題には、本文に必ず根拠があります。
「この選択肢は本文の○段落○行目に根拠がある」と言えない解答は、たとえ正解していても次には活かせません。
「なんとなく正解した」の積み重ねは実力になりません。選択問題こそ、根拠の場所を本文で指せるまで確認する習慣が必要です。
まとめ
北大英語の長文読解対策で押さえるべきポイントを整理します。
- 北大英語の長文読解は2問で推定80点(全体の53%)。合否を分ける最重要パート
- 650〜750語の英文を22分で処理する時間感覚が必要
- 解き方は4ステップ:設問確認→本文精読→設問解答→見直し
- 設問タイプ別に対応を変える(和訳=構造+自然な日本語、内容説明=本文に根拠、選択=消去法、抜き出し=範囲の見極め)
- 土台は3つの力:精読力・論理把握力・語彙力
- 学習は3段階で進める:精読期→演習期→実戦期(順番を守ることが最重要)
- やってはいけないことを知り、間違った努力をやめること
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